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めぐりあう時間たち【感想・考察ネタバレ含む】

「めぐりあう時間たち」は、2003年アカデミー賞受賞、
ニコール・キッドマンが最優秀主演女優賞、その他多数の賞を受賞した映画です。
また3人のヒロインのキャスティングの豪華さも見どころの一つです。


 

「めぐりあう時間たち」は時代も場所も違う3人の女性の、ある重大な一日を描いた作品。

頻繁に舞台が入れ替わり、独特の雰囲気がやや難解な印象を与えるこの作品。
さっそくこの作品の全貌を、ひも解いていきましょう。

「めぐりあう時間たち」を楽しむための3つのポイント

    • 1.
ダロウェイ夫人という共通点
    • 2.
意外なつながり
    • 3.
”死”が意味するもの
まとめ

あらすじに入る前にまず、「めぐりあう時間たち」を楽しむために、抑えるべきポイントがあります。
それはモチーフになっている「ダロウェイ夫人」という小説。
「花は私が買ってくるわ、とダロウェイ夫人は言った」という一文から始まる物語です。
クラリッサ・ダロウェイは友人のためのパーティを主催し、その為に奮闘します。
周りから見ると幸せそうなダロウェイ夫人、しかしとても重く暗い感情を胸に秘めながら、苦しい日々を過ごしていました。


 

「ダロウェイ夫人」を読んでいなくても楽しめます
筆者

このポイントを踏まえて、あらすじにそって見ていきましょう。

1.「ダロウェイ夫人」という共通点

 ヒロインの一人であるヴァージニア(ニコール・キッドマン)が夫への感謝を告げながら、川へ入水自殺するシーンでこの物語は始まります。

この時点で暗く深いテーマだと直感的に感じます
筆者

1人目の主人公 ローラ (1951年・ロンドン)

1951年のロンドン、ローラ(ジュリアン・ムーア)は夫に愛され子どもに恵まれ、一見幸せそうな家庭を築いているように思われます。
この日は夫の誕生日、息子と2人でパーティの準備をします。

そんなローラの愛読書は「ダロウェイ夫人」
物語上のダロウェイ夫人と現在の自分を重ね合わせ、やるせない毎日を過ごしていました。

2人目の主人公 ヴァージニア(1923 リッチモンド)

舞台は1923年の英国リッチモンド、冒頭の入水自殺をしていたヒロイン・ヴァージニアの一日に移ります。
(冒頭の日とは別日)

ヴァージニアはうつ傾向にあり、過去に2度自殺未遂をしています。
田舎のリッチモンドで、夫と数人のメイドと暮らしています。

ヴァージニアの職業は作家。
この時書いていた小説こそが「ダロウェイ夫人」です。

この日は姉が子どもたちを連れてロンドンから遊びに来るのですが、小説の構想に悩み、すっかり上の空。
死んだ小鳥を子供たちが遊びのように弔う姿を見て、死について考えます。

3人目の主人公 クラリッサ(2001年 ニューヨーク)

クラリッサ(メリル・ストリープ)はこの日、エイズに冒された作家の友人の、受賞パーティーの準備に忙しそうです。
そのパーティーのための花を買いに、花屋さんに行くところから物語は始まります。

そんなクラリッサの学生時代のあだなは「ダロウェイ」

2. 意外なつながり

一見ばらばらでなんの関係もない3人。
その3人のある一日が要所要所でリンクしながら、物語は加速していきます。

冒頭でわかる共通点は、先述した”「ダロウェイ夫人」という物語の存在”。
あとは”周りには幸せだと思われていること”
しかし”周りに言えないなにかを抱えていること”。

しかし物語の終盤、あっと驚くような共通点が明かされます。
気になる方はぜひ、実際にご覧になってください。

3. ”死”が意味するもの

冒頭シーンでわかることからヴァージニアは最終的に自殺をします。
他の主人公たちも、死のうとしたり、大事な人が死んだりします。

ただ、この映画の中で死や別れが意味するものは、誰かのための「解放」だったり「救済」だったり、また死に対して「平和」という言葉が使われたりします。

ヴァージニアの入水自殺のシーンはラストにもう一度出てきます。
改めて観るそのシーンは、水面の光の反射が驚くほどに綺麗なのです。

ヴァージニアの劇中のセリフにこんなものがあります。
「命の価値を際立たせる為に、(物語の中で)他人を殺す。」
きっとそれだけなのです。
彼女たちは物語のために、ただ死んでいるだけなのです。
決してお涙頂戴で死んでいく訳でもなく、命の価値を強調するためだけに死んでいきます。

この映画における「死が意味するもの」。
おそらくさまざまな意見があると思います。

ここに描かれる「死」には考えさせられるものが、誰しもあるのではないでしょうか。
ぜひいろんな方に観ていただきたいと思います。

まとめと感想

この映画を観ていると、あまりにも心の中にひそむ”死”という概念は、生活のすぐ側にあるのだなと考えさせられました。
筆者は正直、この3人がなぜここまで病んでるのかがわかりません。

すみません
筆者

ただこの3人の生活の側には「死」という概念や存在が溢れていたのです。
それはこの3人が、物語の登場人物だからではありません。
人はみな周りにはわからない、何かを抱えながら、何気なく生活を過ごしています。

当たり前のことなのです。
「そんな当たり前の日々を愛しく感じましょう」みたいなよくある”良い映画”ではない独特の切り口で、観る者の人生観に鋭いものを突き立ててきます。
そんな衝撃を味わいたい方はぜひ、この映画をご覧になってください。

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